エジプト(展)に行ってきた

この前、古代エジプト展に行ってきた。
せっかく行ったので感想を書いていこうと思う。
古代エジプト展の詳細
公式HP:https://egypt-brooklyn.exhibit.jp/
- 古代エジプト展とは?
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正式名称:ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト
この展覧会は、アメリカのブルックリン博物館が所蔵する古代エジプトのコレクションを紹介する特別展です。
開催情報
- 会場: 森アーツセンターギャラリー(東京・六本木)
- 会期: 2025年1月25日(土)〜2025年4月6日(日)
- 次回開催予定: 静岡県立美術館(2025年4月19日〜6月15日)
展示内容
- 約150点の遺物を展示。彫刻、棺、宝飾品、陶器、パピルス、人間や動物(猫)のミイラなどが含まれます。
- 特に注目される展示品:
- クフ王の頭部とされる彫刻(約40年ぶりの日本展示)。
- ミイラ制作に使用されたカノプス壺や包帯。
- 世界最古の葬送文書「ピラミッド・テキスト」の音声再現。
特徴
- 古代エジプト人の日常生活や信仰、ピラミッド建設の謎、ミイラ制作の工程などを最新研究とともに紹介。
- 名古屋大学教授でエジプト考古学者の河江肖剰氏が監修し、映像や音声を交えたインタラクティブな展示も実施。


引用元:https://www.instagram.com/egypt_ten_brooklyn
率直に言うと、すごく楽しかったし古代エジプトについて知ることができて、とても貴重な経験になった。
美術展に行くの自体、数えるほどしかなかったんだけど、美術や芸術に触れるのっていいね。
今回で言うと古代エジプトの当時の生活や死生観、本物のミイラなんかも見れてよかった。
本やテレビで知るより自分の目で見ると受け取る情報量も全然違った。
あと何より、エジプトに行ってみたくなった!
中の雰囲気
中の雰囲気はこんな感じだった↓

記憶に残った展示品4選
①ヒエログリフが書かれた石板

これ、文字なんだぜ。
ぜんっぜん読めないけど、これを解読してる研究者ってすごいんだなって思った。
- ヒエログリフとは
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ヒエログリフ(Hieroglyph)は、古代エジプトで使われた象形文字の一種で、「神聖文字」や「聖刻文字」とも呼ばれます。以下にその特徴や歴史をまとめます。
基本情報
- 起源: 紀元前3000年頃に誕生し、約4000年間使用されました。
- 用途: 墳墓、石碑、神殿の壁画、「死者の書」などに刻まれ、宗教的・歴史的な記録を残すために用いられました137。
- 語源: ギリシャ語の「ヒエロス(神聖)」と「グリュペイン(刻む)」から派生しています15。
文字の種類
ヒエログリフは以下の3種類の文字を組み合わせて構成されます:特徴
歴史と消滅
関連する他の文字
ヒエログリフは単なる記録手段に留まらず、古代エジプト人の宗教観や文化、美意識を反映した重要な遺産です。
②ミイラの包帯

ミイラに巻いてある包帯って勝手に無地かと思ってたんだけど、ヒエログリフがびっしり書いてあった。
これ、何で書いてるかって言うと、「死者が来世で必要とする情報を記すため」とか色んな意味があるらしい。
古代エジプトの人たちは、死後の世界も現世と同じように続いていると信じていたと考えられていて、包帯にヒエログリフで必要な情報を包帯に書くことによって死者が死後の世界で困らないようにしていたって考えられてるんだってさ。
- ミイラの包帯にヒエログリフが書かれている詳細な理由
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古代エジプトでは、ミイラの包帯にヒエログリフが書かれていました。その理由は以下のとおりです:
- 死後の世界への指針:ヒエログリフは、死者が来世で必要とする情報や呪文を記すために使用されました。これらの文字は、死者の魂が安全に来世へ旅立ち、そこで新しい生活を始めるための重要な指示を含んでいました。
- 宗教的な儀式の一部:ミイラ作りの過程で、「口開き」の呪術儀式が行われました。この儀式は、死者の感覚(見る、聞く、食べる、語る)を回復させるためのものでした。ヒエログリフはこの儀式の一部として、死者の蘇生を助ける役割を果たしていたと考えられます。
- 神話的な意味:古代エジプトの神話では、イシスとネフテュスが死せるオシリスをミイラにしたとされています。ミイラの包帯にヒエログリフを書くことは、この神話的な行為を再現し、死者をオシリスと同一視する意味があったと考えられます。
- 個人の身元や地位の記録:ヒエログリフは、ミイラとなった人物の名前、称号、社会的地位などを記録するためにも使用されました。これにより、来世でも個人のアイデンティティが保たれると信じられていました。
- 保護の呪文:ヒエログリフには、ミイラを悪霊や危険から守るための呪文や祈りが含まれていることもありました。これらの文字は、死者の体と魂を永遠に保護する役割を果たすと考えられていました。
このように、ミイラの包帯にヒエログリフを書くことは、古代エジプト人の死生観や宗教的信念と深く結びついていた重要な慣習でした。
③カノプス壺

これは簡単に言うと、ミイラを作る時に取り出された内臓をいれておく壺。
入れる臓器は、心臓を除く特に重要と考えられた4つの臓器で、胃・腸・肝臓・肺。
ちなみに壺の蓋は4柱の神の頭部をかたどってて、左から
- ジャッカル ー 胃を守るドゥアムトエフ
- ハヤブサ ー 腸を守るケベフセヌエフ
- 人間 ー 肝臓を守るイムセティ
- ヒヒ ー 肺を守るハピ
ミイラの包帯もそうだけど、死者をものすごく大事にしているのがわかる。
- カノプス壺の詳細
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カノプス壺は、古代エジプトのミイラ作製過程で使用された重要な儀式用具です。以下にその特徴と用途をまとめます:
定義と用途
特徴
- 通常4つ1セットで、それぞれ異なる神格を表す頭部を持っています
- イムセティ(人間の頭):肝臓を守る
- ハピ(ヒヒの頭):肺を守る
- ドゥアムトエフ(山犬の頭):胃を守る
- ケベフセヌエフ(隼の頭):腸を守る
歴史的背景
- カノプス壺の使用は古王国時代から始まり、プトレマイオス朝時代まで続きました。
- 名称の由来は、エジプトのデルタ地帯にあった「カノポス」という町に由来しています。
宗教的意義
- 古代エジプト人の死生観・来世観と密接に関連しており、死後の再生と復活のために重要な役割を果たしていました。
- カノプス壺は、副葬品の中でも特に重要視され、幅広い階層に普及していました。
カノプス壺は、古代エジプトの複雑な葬送儀礼と死生観を理解する上で重要な遺物であり、現代のエジプト学研究においても貴重な研究対象となっています。
- 通常4つ1セットで、それぞれ異なる神格を表す頭部を持っています
④ミイラ、棺

この棺の材質は木製だった。ある時代からは石の棺を作るようになったらしい。理由は木だと腐るから。
この中にミイラ入ってると思うと、何とも表現し難い心境になった。
死者をミイラにして棺に入れて埋葬するのは「死者が来世で復活するには肉体が必要だから、ミイラにして肉体を保存しよう」って考えた結果なんだって。
ここにも古代エジプトの死生観が表れているよね。
- ミイラについての詳細な説明
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古代エジプト人がミイラを作った主な理由は、来世での復活のためでした。彼らは以下のような信念を持っていました:
- 肉体の保存:来世で復活するには肉体が必要だと考えられていました。そのため、亡くなった人の体を人工的にミイラ化して保存しようとしました。
- 来世への準備:ミイラ化は、死者が来世で新しい生活を始めるための重要な準備段階でした。
- 魂の存続:肉体を保存することで、死者の魂も存続すると信じられていました。
- 宗教的儀式:ミイラ作りは宗教的な儀式の一部であり、死者の蘇生を助ける役割を果たしていました。
ミイラ作りの慣習は、当初はファラオや王族のみに限られていましたが、時代が経つにつれて庶民にも広く浸透していきました。これは古王国時代(紀元前2500年頃)から始まったとされています。
ミイラ化の過程には、内臓の摘出、防腐処理、包帯で巻くなどの複雑な手順が含まれており、古代エジプト人の死生観や来世観を反映した重要な慣習でした。
死生観に沿って文明が築かれた
古代エジプト文明は死生観が大きな柱としてあって、それに沿う形で独自の文明が発達していったのかなと感じた。
ミイラの包帯に書かれたヒエログリフや臓器を入れるカノプス壺など、死者が死後の世界でも快適に暮らせたり、来世で無事に復活するようにと思いを込めた物が多かった。
エジプトの象徴的なピラミッドも、王の墓として造られているしね。
いつかエジプトに
今回古代エジプト展を見に行って、エジプトに行ってみたい気持ちが強くなった。
エジプトに行く1番の目的は「ピラミッドを生で見ること」
これはいつか実現したい。